離婚による不動産売却の注意点

  • 2021年02月22日
  • 最終更新日: 2021年03月06日

不動産価格をまず把握しよう

離婚による財産分与の際には、不動産を売却する前に不動産の資産価値を確認しましょう。

まずは不動産会社に査定を依頼し、売却見込価格を把握します。査定の際に注意すべきポイントは売却したい価格ではなく確実に売却できる価格を把握することです。実際に売れる価格を認識しておかないと、売りに出した際にローン残高を下回る価格になってしまう可能性があります。
ローンが残っている自宅は、ローン残高を金融機関に確認します。ローン残高を売却価格が上回るかどうかが問題となってきますので、しっかりと確認をしておきましょう。

夫と妻のどちらも住むことを希望しない場合

『売却価格<ローン残債』の場合は売れない

自宅として住んでいた不動産に夫と妻のどちらも住むことを希望しない場合、通常は売却を考えます。しかし、売却価格がローン残債を下回る場合、差額を預貯金などで返済できなければ、借入れをした金融機関の抵当権が抹消されず、売却ができません。売却した後に、ローン残債との差を借金として返すわけにはいかないのです。不動産売却後にローンが完済できない場合は、金融機関などの債権者に交渉して、売却をした金額でローンの抵当権を抹消する「任意売却」という方法で進めます。売却後に残った残高については別途金融機関と話し合って返済します。

住宅ローンを借りている不動産を銀行に断りもなく賃貸に出した場合には、発覚すると一括返済を求められる可能性があるので注意が必要です。

売却をせず夫婦どちらかが住む場合

ローン残債のある不動産は、売却代金と合わせて全額を返済する資金がなければ、ローン残債と売却価格が近づくまで、夫婦のどちらかが住むのが現実的です。例えば、妻が不動産に住む場合、以下のパターンが考えられます。

不動産の所有権の名義を妻の単独名義に変更、ローンの名義は夫の場合

この場合、不動産の所有も居住も妻で支払いは夫であるので、妻に優位な条件に見えますが、夫は自分が住んでいないのでローンの滞納リスクがあります。

不動産の所有権もローンも名義は夫の場合

この場合も妻が優位に見えますが、夫の滞納リスクは存在します。対策としては、公正証書などに残しておくことでリスク回避をすることです。

不動産の所有権も住宅ローンの名義も妻に変更する場合

この場合に重要なことは、金融機関の審査を経なければいけないということです。夫の収入・資産によって借りることができたローンなので、場合によってはこのケースを選択できない可能性があります。

不動産の所有権もローンも名義は夫のままで妻が家賃を払う場合

この場合が一番現実的ではないでしょうか。妻の居住はそのままなので、環境の維持ができるとともに、夫に家賃収入が入るのでローンの滞納対策にもなります。

離婚の財産分与に行き詰まったら専門家に相談しよう

いずれの場合にしても、夫婦の共有名義で売却できない場合は、離婚後の処理について弁護士などの専門家に相談するのが賢明です。

離婚の際の財産分与では、知識がないと相手の意図に関わらず、損をしてしまいがちです。まずは不動産価格を適切に把握し、公平に財産分与が行われるように進めましょう。弊社では弁護士事務所と提携しておりますのでスムーズに売却をすすめすことが可能です。

 

このコラムの執筆者

株式会社キューブ代表(宅地建物取引主任士・建築士)

杉山旬哉

実家が建設会社であったため、不動産業に興味があり大学在学中に「宅地建物取引主任者(現在の宅地建物取引主任士)」を取得する。
大学卒業後、新卒で埼玉県の不動産業者に約10年勤務。お客様が求める物件よりも会社の利益を優先するような不動産業界の旧態依然とした考え方ではいつか立ちいかなくなるだろうと思い、仕事に迷いが生じはじめる。
お客様に心から喜んでいただける物件を紹介するには、物件の調査・書類作成・税務相談・間取プランの作成等の知識が必要であると痛感し「建築士」を取得する。
お客様に豊かな生活と喜びを与えるためには営業力だけでなく物件の調査や書類作成能力が必要だと強く感じるようになり、銀行系不動産業者の三菱信不動産販売株式会社(現在の三菱UFJ不動産販売株式会社)へ転職し約10年勤務。成績優秀者として数多く表彰されるが、大手故の融通が利かない部分や、仕事に直結しない業務の多さに限界を感じ、自身で会社を設立することを決意する。
2016年4月株式会社キューブ、代表取締役に就任。日本の不動産の枠にとどまらず海外不動産の動向やコミュニケーションを学ぶため、カナダのバンクーバーへ留学。日本と海外不動産の売却方法の違いや中古住宅に対する価値観の違いについて深く学ぶ。
2018年に帰国後、リフォーム・リノベーションした中古不動産物件を中心に販売する。
現在は、地主のお客様からの不動産相談や、弁護士・税理士・司法書士等の士族の方からの紹介案件、また、一度お取引したお客様からのご紹介を中心に不動産事業を展開。