2020年4月1日 民法改正

  • 2021年02月03日
  • 最終更新日: 2021年03月06日

契約不適合責任とは…

民法改正以前の売買契約では売主が買主に対して負う「瑕疵担保責任」という文言が入っていました。「瑕疵担保責任」とは、不動産売買契約に際して、買主に通告されていない不具合や損傷(瑕疵)があった場合、買主は契約の解除賠償請求ができるという買主保護の仕組みです。現在「瑕疵担保責任」「契約不適合責任」へ変更され、瑕疵と認められる範囲が広がり、さらに瑕疵が見つかった場合の買主側の権利保護が強化されました。

具体的には、これまでは瑕疵があった場合、買主は契約解除もしくは損害賠償請求しか選べませんでしたが、今後は瑕疵の修繕代替物の引き渡し代金減額を請求できるようなります。また契約解除を選択する場合、これまでは、「隠れた瑕疵」でなければ買主は保護されませんでしたが、買主側の「善意・無過失」は解除の要件としては不要になります。よって、契約解除のハードルは下がることになりました。

こちらが民法改正の主な内容です。全体的には、買主の保護が強化される内容と言えます。民法改正で売主にとって影響が出る部分が多くなります。売主は、必要以上の不利益を被らないためにも、担当者から媒介契約締結前にしっかりとした説明を受け、事前に契約書の内容を見直すなど、慎重に対応する必要があります。

このコラムの執筆者

株式会社キューブ代表(宅地建物取引主任士・建築士)

杉山旬哉

実家が建設会社であったため、不動産業に興味があり大学在学中に「宅地建物取引主任者(現在の宅地建物取引主任士)」を取得する。
大学卒業後、新卒で埼玉県の不動産業者に約10年勤務。お客様が求める物件よりも会社の利益を優先するような不動産業界の旧態依然とした考え方ではいつか立ちいかなくなるだろうと思い、仕事に迷いが生じはじめる。
お客様に心から喜んでいただける物件を紹介するには、物件の調査・書類作成・税務相談・間取プランの作成等の知識が必要であると痛感し「建築士」を取得する。
お客様に豊かな生活と喜びを与えるためには営業力だけでなく物件の調査や書類作成能力が必要だと強く感じるようになり、銀行系不動産業者の三菱信不動産販売株式会社(現在の三菱UFJ不動産販売株式会社)へ転職し約10年勤務。成績優秀者として数多く表彰されるが、大手故の融通が利かない部分や、仕事に直結しない業務の多さに限界を感じ、自身で会社を設立することを決意する。
2016年4月株式会社キューブ、代表取締役に就任。日本の不動産の枠にとどまらず海外不動産の動向やコミュニケーションを学ぶため、カナダのバンクーバーへ留学。日本と海外不動産の売却方法の違いや中古住宅に対する価値観の違いについて深く学ぶ。
2018年に帰国後、リフォーム・リノベーションした中古不動産物件を中心に販売する。
現在は、地主のお客様からの不動産相談や、弁護士・税理士・司法書士等の士族の方からの紹介案件、また、一度お取引したお客様からのご紹介を中心に不動産事業を展開。