不動産に関する税金

購入するときに課税される税金…

契約書を作成すると、契約書に記載された金額に応じて印紙税が課税されます。

売買契約書は1通作成すればOKです。買主様は、住宅ローンを利用する金融機関から原本提示を求められるので原本が必要ですが、売主様は原本を保有する必要がありません。

印紙税を節約する場合、売買契約書の作成を1通にして、印紙代を折半 または 買主様負担にすることもあります。

購入するときには所有権移転登記・抵当権設定登記を行いますが、売却するときは抵当権抹消登記・住所変更登記のみになります。この登記には登録免許税という税金が課税されます。

最後に忘れたころにやってくる不動産取得税です。築年数が経過している中古物件では、数十万円もかかることがありますので注意が必要です。これは「取得」したことに対する税金ですから、「売却」したときは関係ない税金です。

保有しているときに課税される税金

固定資産税都市計画税は1月1日時点で不動産を所有している人に対して課税され、5月から6月頃に納税通知書が届きます。1回払いまたは4回分割払いで納税する税金です。

売却する場合、その年の税金は売主様に納税義務があります。納税通知書を使ってお支払いください。買主様は決済日に引渡日の当日から12月31日までの分を日割りで精算し、売主様へ現金で一括で支払います。

譲渡したときに課税される税金

『買った金額 売った金額 』になると、譲渡所得税 ( 所得税住民税 ) が課税されます。購入した年から数えて、1月1日を6回過ぎる前に売却すると約40%もの税金を取られてしまいますのでここは要注意です。

利益を3,000万円までなかったことにしてくれる制度「居住用財産の3,000万円特別控除」もありますが、買替先で使うことができる「住宅ローン減税」との選択適用になります。

そのため、どのタイミングで売却するかを考え作戦をたてたうえで売却しなければなりません。「利益があるのか」、「買い替えをするのか」、「購入してから何年目か」などをキッチリ確認してアドバイスできる担当者に依頼しないと恐ろしいことになります。

相続・贈与するときに課税される税金

贈与するときには、メチャクチャ高い贈与税ですが、相続するときにも、高い相続税が課税されます。

平成27年から相続税の基礎控除が引き下げられました。平成26年12月31日までは「5,000万円+1,000万円×相続人の数」でしたが、平成27年からは「3,000万円+600万円×相続人の数」となっています。

確定申告

不動産を売却したときは翌年に必ず確定申告しましょう。税金は複雑ですから、自分で「課税されないはず!」と勝手に判断するのはやめ税理士や税務署の職員に相談しましょう。

利益があれば課税されますが、損失があればその年の所得と損益通算して所得税が還付される可能性があります。また、翌年の住民税が安くなったり、場合によっては非課税になる可能性もあります。

申告の時期と場所についても注意が必要です。

2020年に売買契約・2020年に残代金決済を行った場合は、翌年の2021年2月16日~3月15日に確定申告をしてください。「翌年」というのは「残代金決済を行ったとき」を基準にしています。そのため、2020年に売買契約・2021年に残代金決済の場合、確定申告をするのは原則として2022年になります。

また、確定申告する場所は「引越先の税務署」になります。「住民票の住所」と「住んでいる場所」が異なる場合は、「住んでいる場所」の税務署で申請します。住民票を移転しているかどうかは関係ありませんのでご注意ください。

このコラムの執筆者

株式会社キューブ代表(宅地建物取引主任士・建築士)

杉山旬哉

実家が建設会社であったため、不動産業に興味があり大学在学中に「宅地建物取引主任者(現在の宅地建物取引主任士)」を取得する。
大学卒業後、新卒で埼玉県の不動産業者に約10年勤務。お客様が求める物件よりも会社の利益を優先するような不動産業界の旧態依然とした考え方ではいつか立ちいかなくなるだろうと思い、仕事に迷いが生じはじめる。
お客様に心から喜んでいただける物件を紹介するには、物件の調査・書類作成・税務相談・間取プランの作成等の知識が必要であると痛感し「建築士」を取得する。
お客様に豊かな生活と喜びを与えるためには営業力だけでなく物件の調査や書類作成能力が必要だと強く感じるようになり、銀行系不動産業者の三菱信不動産販売株式会社(現在の三菱UFJ不動産販売株式会社)へ転職し約10年勤務。成績優秀者として数多く表彰されるが、大手故の融通が利かない部分や、仕事に直結しない業務の多さに限界を感じ、自身で会社を設立することを決意する。
2016年4月株式会社キューブ、代表取締役に就任。日本の不動産の枠にとどまらず海外不動産の動向やコミュニケーションを学ぶため、カナダのバンクーバーへ留学。日本と海外不動産の売却方法の違いや中古住宅に対する価値観の違いについて深く学ぶ。
2018年に帰国後、リフォーム・リノベーションした中古不動産物件を中心に販売する。
現在は、地主のお客様からの不動産相談や、弁護士・税理士・司法書士等の士族の方からの紹介案件、また、一度お取引したお客様からのご紹介を中心に不動産事業を展開。